Garden Project
2016 – 2018
ガーデン・プロジェクトは、1992から2018までの26年にわたり、サンフランシスコ郡刑務所第5庁舎に隣接した丘陵地で農園を運営していたNPOです。創設者キャスリン・スニードの元で、低所得者やマイノリティ・コミュニティから雇用された大人や学生たちが共に農作業を行ない、有機野菜や草花を育てていました。収穫された農産物は、ホームレス・シェルターや高齢者施設に寄付され、草花は市街地の植栽に提供されていました。
2016年8月、私は縁あってガーデン・プロジェクトで働くようになりました。仕事の合間に写真も撮るようになりました。カーデン・プロジェクトはその成り立ち、環境、働く人々全てが、貧しく質素であると同時に豊かで美しく、社会的で人間的、犯罪と隣り合わせで平和を実践する、まるで不条理のユートピアといった場所でした。
スタッフとして働きながらの撮影で、私の写真は、ガーデン・プロジェクトのほんの一部を切り取ったにすぎません。それはドキュメントというより、人々の動き、光や風、木々や花、そして土地から受ける自然のエネルギー、それぞれの瞬間に反応してシャッターを押した印象の写真群といえます。
「大地とつながることで、人は希望が持てる」というキャスリンの言葉は、労働と撮影の両側にいたからこそ、私の中でリアリティを持ち、写真として実践することができたように思います。
ガーデン・プロジェクトは、2018年の6月、理由は明確にされないまま、おそらく政治的な背景により閉鎖に追い込まれ、解散しました。
九州大学ソーシャルアートラボでの展示
ギャラリーメスタージャでの展示